新しい記事を書くことは大切です。ブログへのそもそもの入り口を広げ、ブログへ到達してもらうためには、記事数がより多いほうがより認知されます。
しかし一方で、すでに書いてある記事を改めて見直すことも大切です。
リライトとは記事の質を高めて、読者にとってより価値のある記事へ変えていく作業であり、それは回り回って、検索エンジンからの評価を押し上げることになります。サイトへのアクセス数を上げるためには記事の質と量両方が求められますが、リライトは質の向上を図ります。
では実際にリライトする場合、どのような観点からリライトが考えられるのでしょうか。例えば次の観点が挙げられます。
- 情報の更新
- 古い情報を削除・修正
- 新しい情報の追加
- 文章の訂正
- 文章の練り直し
- 誤字脱字の訂正
- 新しい導線の創出(内部リンクの活用)
- タイトルの変更
しかし、すでに数百記事を書いている場合、すべての記事をリライトすることはできません。記事を選んで少しづつ、リライトすることになります。
では、どうやってリライトする記事を特定し優先順位をつけていけばいいのでしょうか?
ここでは検索流入を中心に考えていきます。というのも通常は総アクセス数*1の内、SNS流入や直接流入を押しのけて検索流入からのPVが多くを占めていることが多いからです。加えて、過去記事に関してはなおさら検索流入がほとんどとなります。
リライトする記事の見つけ方には2通りあります。それは
- 重要かつ、伸びしろのある記事から手を付ける
- 全く検索に引っかからない記事から手を付ける
です。
重要かつ、伸びしろのある記事の見つけ方
記事内容のリライト
具体的な分析方法の1つは、Google Analyticsを使う方法です。順を追って説明していきます。
まずはGoogle Analyticsにサイトを登録しましょう。これは第一に行うべき事前作業です。
第1ステップ:「チャネル」
すでに登録してある場合、Google Analytics画面を開いてください。そして次に、左のバーの「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を選んでください。
第2ステップ:「検索流入」
次に、「Organic Search」を選択します。ここでは検索流入からのPV数を改善することを目的としているためです。
第3ステップ:「流入ページ」
これでは、サイトにたどり着いた検索ワードごとの表示になっていますので、ページごとの表示に切り替える必要があります。「ランディングページ」を選択してください。
第4ステップ:ユーザー行動に問題がある記事を見つける
すると、検索流入数が多い順に各ページごとに直帰率、ページ/セッション、平均セッション時間が表れます。この3つの数値のどれかを基準にします。ここでは直帰率に注目してみます。
すると、検索流入数が多い上位10記事を見ても数値にばらつきがありますので、直帰率が高い記事に何か問題がある可能性が高いと言えます。(上図のうち、赤とオレンジの下線を引いた記事*2)
これらの直帰率は高止まりしています。まずはこれらの記事を実際に見て、改善できる箇所がないかを探します。
第5ステップ:問題がありそうな箇所に修正を加える
直帰率が高い理由としては以下のことが考えられます。
- 導線の問題
- 関連する記事が見つかりにくい
- 記事内容の問題
- 記事が短すぎる
- 内容が古い
- 内容がつまらない
似た記事が見つからないようになっているのであれば、関連する記事をリンクとして訪問者にとってわかり易い位置(例:記事の末尾)に貼ることを試してみましょう。
記事内容自体に問題がある場合は、追記・修正、文章の推敲を行いましょう。
上記の図において赤線を引いた記事は2つだけなので、2記事だけであれば、まずは気軽にリライトに取り組めます。そしてそれが終わったら、次に直帰率の高いオレンジ色の下線の記事のリライトを考えましょう。
このようにして特定の数値を基準にして、「赤→オレンジ→・・・→・・・」とリライトすべき記事の優先順位をつけていくことができます。ここでは「直帰率」に焦点を当てましたが「ページ/セッション」や「平均セッション時間」を見てもいいかと思います。
リライトする記事の選定方法:タイトルのリライト
グーグルアナリティクスを使った選定方法では、内容に問題のある記事が見つかります。つまり、読者が記事タイトルをクリックしてからの動きを見ています。
一方でタイトルに問題がある場合は、グーグルアナリティクスでは発見できません。
そこで、グーグルサーチコンソールを使って今度は、タイトルに問題のある記事を発見していきます。
まずはグーグルサーチコンソールに登録してください。
そして下の写真のような順番で、表示する情報を設定してください。ドイツ語に設定されていますが、表示場所は同じです。
第1ステップ:「検索トラフィック」と「検索アナリティクス」
図の①のように、「検索トラフィック」→「検索アナリティクス」をクリックしてください。
第2ステップ:「CTR」
図の②のように、「CTR」にチェックを入れて、クリック率も見られるようにします。ここでは、表示されている割にクリックがされない記事を見たいからです。
第3ステップ:「ページ」
図の③のように、「ページ」を選んでください。これでページごとの情報を見られるようにできます。
第4ステップ:タイトルに問題がありそうな記事を見つける
これによって、クリック数の多い順番にページが並べられ、それぞれのクリック率が表示されました。
このように一覧で見てみると、明らかにクリック率が悪いものがあります。クリック率とは、ユーザーが検索する際の「クリック数÷表示回数」です。つまり、クリック率が低いということは、検索で表示されている割にはクリックがされていないということです。
クリックするかしないかを決めるのはタイトルです。そのため、クリック率が低いページは、タイトルが魅力的ではない可能性があります。私のグーグルサーチコンソールの場合、以下の赤で囲ったページのタイトルが、リライトの候補となります。
どれも10%以下のクリック率です。特に3%台の2つの記事のタイトルはもう一度確認したほうがよさそうです。問題があるような記事が見つからなければ、
- 上位100ページまで調査範囲を広げてみたり
- 基準となるクリック率を15%まで引き上げてみたり
してもいいかもしれせん。
注意点:タイトルの内、変えてもいい要素と変えない方がいい要素
上位に来ているページのタイトルは慎重に行わないと、検索順位が下がることがあります。
特に、タイトルを構成する言葉のうち、検索ワードになっている言葉は残しましょう。例えば、「【ドイツ在住者が勧める】ドイツの観光地10選」というようなタイトルの場合、「【ドイツ在住者が勧める】」というキーワードで検索に来ている人は少ないと思われるので、この部分は変更が可能です。
しかし、「ドイツの観光地」という単語は検索ワードになっているため、変更はしないほうがよいでしょう。
「重要性が高い」×「改善余地が大きい」=「優先順位が高い」
過去記事が多いとリライトをするにしても優先順位をつける必要があります。そのためにはまず、
ような記事を特定する必要があります。
検索に全く引っかからない記事を見つける
今度は、検索で全く見られていない記事を見つけて、リライトする方法です。
せっかく何時間もかけて書いたのに見られていないことほど悲しいことはありません。特にそれが、タイトルや文章の見せ方に起因する場合は、すぐに修正をかけることで、簡単に何倍ものPVを稼ぎだすことができます。
そのような記事の見つけ方は、先ほどのグーグルサーチコンソールの画面をそのまま使います。ただ、下の図の「クリック数」をクリックして、今度はクリックが少ないページ順に表示させます。
そうすると、おそらくクリック数ゼロのページから表示されますので、そうした記事から順に中身を見ていきましょう。
修正したくなる箇所がいっぱいあるはずです。修正できる箇所があるということは、その時に比べて今の自分のほうが成長したということです。成長したからこそ、昔は見えなかった欠陥が見えてきます。
もともと、たいしたアクセス数のある記事ではないので、思い切ってタイトルや中身を変えていきましょう。
リライトの習慣をつける
読者の反応を見たいがために、どうしても新しい記事を書くことに熱中しがちです。しかし、新しい記事を生み出すよりも、現在ある資産を再利用するリライトのほうがアクセス数を増加させるための労力が少なくて済みます。
そのため、私は定期的にリライトをするように心がけています。
例えば、月の始まりになると、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleを開けて、徹底的に数値を分析してみてはどうでしょうか。「月初めにリライト」というルールを作っておくことで、記事の新規作成と、旧記事のリライトのバランスを保つことができます。
こうした方法によって記事ごとにリライトの優先順位をつけることができ、検索流入からのアクセス数を効率的に改善することが出来ます。
是非試してみてください。
注意点
これらのリライトを行う際には、3ヶ月以上前に書かれた記事に限定してください。
3ヶ月くらいがGoogleにきちんと評価されるために必要な期間だからです。3ヶ月がまだ経っていない記事は、今後、きちんとした検索ワードと紐づけられさえすれば検索でひっかかる可能性があります。